「アニマルセラピー」の効果(1)

教育現場や医療の現場、コミュニケーションツールとして動物を介在させ、活動が注目されている「アニマルセラピー」ですが、具体的には、どのような人に有効で、どのような効果が期待できるのでしょうか?その辺りを詳しく解説してみます。

「動物介在法」で症状を改善、または軽減させる効果が期待できる例として、以下のような人が対象者として考えられます。

  • うつ病などの症状によって、精神的な不安障害を患う人
  • 事件、事故、または、通常では体験しないほど恐ろしい記憶によってトラウマを抱え、精神的に情緒不安な人
  • 戦争や争いなどで、人を傷つけたことへ対する良心の呵責に苦しむ人、心の病に陥った囚人など
  • ガン患者やエイズ患者など、余命宣告をされて未来に絶望した人

などなど・・・。

いずれも心に傷を負い、未来を悲観し、将来に希望を見い出せない人たち。

その傷があまりに深すぎて、もはや自力では立ち直れなくなった人たちです。

「健康」とは、身体が元気であることと、心が元気であること、そのどちらかが欠けても本当の意味で「健康」とは言えません。

「アニマルセラピー」の効果(2)

動物たちは、見ているだけで私たちの心をウキウキと弾ませてくれます。

「何をしているんだろう?」
「次はどんなイタズラを仕掛けるつもり?」

動物が好きな人なら「あるある!」と思わず笑顔になってしまう瞬間が、誰しもありますよね(笑)

そんな動物たちの、人を癒す能力はどこに隠されているのか、どんなことが「セラピー効果」に結びつくのか、一緒に考えてみましょう!

第一に動物は、私たち人間の予想を遥かに超えた行動や、表情を見せてくれます。

動物は、子供時代はもちろん、大人になっても、人間の子供以上に手が掛かるものです。

ごはんやトイレの世話から始まり、被毛の手入れや遊びの誘い・・・ことあるごとにイタズラを仕掛けて、私たちを困らせます(苦笑)

自分の気が向かないときは「近寄るな」オーラ全開で威嚇(泣)

そのくせ、少しでも人間の姿が見えなくなると、慌てて探し回り、見つけた瞬間、飛びついてくるのです!
その可愛らしさは、もう・・・!!
分かりますよね~?(笑)

実は、動物のそのような予測不能な行動やしぐさに振り回されながらも、私たち人間はワクワクし、笑顔になり、魅せられるのです。

「アニマルセラピー」の効果(3)

動物と一緒にいると、ときにはイライラさせられることも多いですよね。

でも、その心の起伏を楽しみ、愛しい温もりに触れるとき、人は孤独を忘れ、自然と心が穏やかになるのです。

動物と接するうちに、無意識に話しかけていることはありませんか?

あれこれと世話を焼いているうちに、いつの間にか自分のフットワークが軽くなっていることに気付いていますか?

触れ合いのなかで、動物から与えられる「癒し」とは、そういうことです。

知らず知らずのうちに言葉をかけていた、一緒に外に散歩に出かけるようになった、いつの間にか笑顔になっていた・・・。

このような効果があることは、実は専門的にも証明されています。

精神的障害を患う人や傷ついた人に、責任を持って動物の世話をさせる、それだけで心は安定し、自己を確立する力を養えます。

「アニマルセラピー」とは、動物が「愛情」という薬を処方して治癒させる、自然療法の一つなのではないでしょうか・・・。

余談になりますが、海外では「人の死を看とる犬」がいるそうです。
ベッドに横たわる人に、愛情深く静かに寄り添う犬。

最期の時を「看取り犬」に見守られながら逝く人は、とても幸せそうな表情で天国に旅立つといいます。

私も人生の最期は、愛するペットに看取られながら逝きたいものです・・・。

このページの先頭へ