聴導犬とは

聴導犬とは、聴覚に障害を持つ人の耳の代わりを務め、その人が生活するうえで必要な音を聞き分け、知らせるよう、特別に訓練を受けた犬のことです。

聴導犬は、聴覚に障害を持つ人の伴侶(パートナー)として共に暮らし、時間や場所に関わらず手助けしてくれる、頼もしい存在です。

さらに、聴覚障害者の自立への意欲や安心、心の支えともなり、一心同体、まさに分身のような役割をも果たします。

耳が不自由とひとくちに言っても、その要因や症状は人それぞれ違います。

例えば、事故や病気による突発的なものから、先天性で生まれつき耳が聞こえにくい、または全く聞こえない。
年齢による衰えから、日に日に耳が遠くなる老人性難聴など。

さらに聴覚障害は視覚障害と違い、目に見える障害ではないため、目に見える形ですぐに、周りの人たちに理解してもらうことは出来ません。

そのため、手助けする側もされる側もどことなく微妙な空気を感じざるを得ない、というのは確かにあるのです。

手を差し伸べるのを躊躇ってしまう、差し出された手を拒んでしまう、そして互いが背中を向けてしまう。
家族間でも、です・・・。

人の呼びかけが聞こえない、テレビや映画を見ていても味気ない、タイマーや目覚ましなど、日常生活においても、音で判断する全てのツールが遮断された世界で生きる人たち。

車のクラクションや自転車のベルの音も聞けないため、外に出るにも常に不安と危険が伴います。

障害を持つほとんどの人は、自分を情けなく思い、責め、孤立していくといいます。

そんな心に寄り添って、心のケアをするのも聴導犬の大切な役割なのです。

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