聴導犬の実践訓練(1)
例えば、お湯が沸いて、ガス代の上のやかんが音を出したとき、レンジがチンと鳴ったときや、電話がなったとき、玄関で誰かがチャイムを鳴らしたときなど、犬が音のした方に行き、音源を確認する訓練をします。
そして「主人」役の訓練士のひざの上などに、前足をのせる、または、カリカリと引っ掻くようなしぐさをするなど、動作の訓練をします。
「影」の役を担う訓練士は、あらかじめ録音しておいた録音機器から何らかの音を出し、犬に聞かせます。
その音が「主人」に伝えるべき音であれば、「影」役の訓練士は犬に付けた長いヒモをそっと引く、もしくはおやつなどの食べ物の匂いで気をひき、音のした方に犬が、自発的に向かうというスタンスで犬を動かします。
音の発生源を確認したら「主人」の元へ戻り座らせます。
※このときも、犬に付いたもう1本の長いヒモを今度は「主人」役の訓練士がそっと引きます。
そして、ひざの辺りに前足を乗せる、または引っ掻くなどして、音がしたことを「主人」に知らせるように犬に教えます。
聴導犬の実践訓練(2)
「主人」が犬に気付いたことを確認したら、犬は音の発生源まで「主人」を誘導、そこまで一緒に歩きます。
音の発生源まで来たら犬を座らせ「主人」の指示を待たせます。
「主人」は、何が音の発生源か確認できたら、犬を褒めて解放します。
ここまでが聴導犬として、だいたいの一連の流れです。
犬が訓練通りにできる度に、充分に褒める、またはご褒美としておやつを与えるなどして、犬に達成感を与えます。
聴導犬としての基本訓練はそうでも、犬によっては動きに微妙な違いも出ます。
必ずしもこうでなくてはいけない!ではなく、犬がやりやすい動作、動きを取り入れて、OKとしてもいいでしょう。
要は、ペアを組む「主人」との連携が取れて、お互いが分かっていればいいのです。
犬にとって苦手な動作を無理強いする必要はありません。
犬にだって、得手不得手はあります。
無理に型にハメてしまうことは、犬のやる気を失くし、訓練自体に拒否反応を起こしかねません。
大目に見れるところは、大目に見てあげましょう。