「服従訓練」の基本(1)
「服従訓練」の基本として「ツケ」「マテ」「スワレ」「フセ」「トマレ」「ススメ」「ミギヘ」「ヒダリヘ」「モテ」などがありますが、これら全てを素早く確実に出来るようになるまでは、次のステップに移ることはできません。
この「服従訓練」を苦にせずできる犬は、落ち着きがあり素直で、注意深く人の指示を聞ける犬です。
パートナードッグとして、素質充分と言えます。
なかには「スワレ」と命令されているのに「座ったフリ」をして腰を浮かしている犬や「フセ」を命じられているのに、上半身だけ起こしてしまう犬もいます。
しかも注意しても直らない・・・(苦笑)
これは、遊び半分でやっているか、強い不安、もしくは反抗心を持っているかの、いずれかです。
「やりたくないのに、やらされている」
「遊びたいのに訓練ばっかり!」
「置いていかないでよ?」
そんな、心の声が聞こえてきそうです(笑)
犬は、リーダーと離れることに強い不安を感じます。
そのため、「スワレ」や「フセ」をして待たされている間に、リーダーが背中を向けて少しづつ離れていってしまう・・・「待って!」と、すぐに立ち上がり、付いてくるのです。
しかも振り向くと「動いてないよ!」と芝居をする・・・。
いじらしくて可愛い・・・ですが!(汗)ここはグッと我慢してください。
甘えさせるのは、訓練の後に思いっきりさせてあげてください。
訓練中は集中!ですよ?
メリハリをつけてあげることで、犬もそこに喜びを見出し、張り切って訓練動作を覚えてくれるようになるのです。
「服従訓練」の基本(2)
犬を落ち着かせるにはコツがあります。
まず犬に「フセ」をさせ、リーダーはすぐに犬から離れず、静かに「マテ」と言いながら、その場で少し静止します。
「フセ」は犬が1番リラックスする体制です。
さらに、リーダーが自分を置いていくわけではない、すぐに戻って来る、と安心できれば、不用意に後を追うこともなくなります。
それが出来るようになったら、より確実に定着させるために「誘惑」を仕掛けます。
「フセ」をした犬の後ろに回り込む、目の前におやつやボールを転がす、不意に声を出す、あまり犬と面識のない人に、目の前を通ってもらうなど・・・。
もちろん、犬が動いたらすぐに「ストップ!」「マテ」と言って、元の状態に戻してください。
これは、犬の衝動的な「動きたい」という本能を自制させる訓練です。
パートナードッグを仕事として行う場合、犬は様々な我慢を強いられます。
どんな状況のときも、動じず、落ち着いて待てるように育ててあげましょう。
また、犬は自分が信頼している人にしか背中を跨がせません。
犬の周りを歩く、走る、跨る、それでもジッとしていられたら合格です!
さらに、遠くにいる犬を自分の元へ呼び寄せる訓練。これも、大事な訓練です。
何か危険なことがあるときや、犬が危険な場所へ行こうとしたときなど、犬自身の危険回避のためにはもちろん、すぐに手元に呼び寄せたいときなどに便利な訓練です。